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水郷筑波国定公園の水と緑を生かした水郷佐原水生植物園で、名物のあやめが見頃を迎えます。約六fの園内には、四〇〇品種一五〇万本の花菖蒲が咲き乱れ、美しい紫色が広がります。園内には藤袴・大納言など粋な名前のついた花菖蒲が、種類よく区分けされ、白・紫・黄色など涼やかに咲き誇ります。江戸系・伊勢系・肥後系など花の種類も豊富で、花菖蒲の栽培では東洋一の規模といわれています。また、サッパ舟と呼ばれる小舟で園内の花めぐりをお楽しみいただくことができます。舟から眺める花菖蒲もまた格別です。絣の着物に赤い前掛けと足袋、三角の編み笠をかぶって“棹”を操る女船頭さんの姿は、この時期の風物詩となっております。花菖蒲は、色々な種類が次々に咲くので、遅咲き種が出る六月下旬までご覧いただくことができます。
◎おらんだ楽隊(香取神宮御座船引船隊)
香取神宮の毎年四月十五日の例祭と十一月三十日の大饗祭、また午年の神幸祭に演じらています。名称の「おらんだ」とは、旧来の神楽に江戸時代末から明治初期にかけて洋楽をとり入れたことに由来します。扇島地区は、古来より神幸祭の御座船進行の際に神楽を奏していたことから、今でもその伝統を受け継ぎ、地区の二十五〜四十歳までの長男を伝承者として定めています。緋色の陣羽織を着流し、手甲・脚半にぶっさき袴、頭には鉢巻という出で立ちで、太刀を侃き、旗を掲げて行進する様は、エキゾチックな感を創出します。使用する楽器は、大太鼓・小太鼓・横笛です。曲目には、「なみあし」「はやあし」「かけあし」「がいせん」があり、歩調に合わせてテンポをとっていきます。一種のお囃子といえるでしょう。県内の無形民俗文化財のうちで、時代の変化を見事にとり入れた事例として貴重です。
水郷佐原水生植物園
園内ではアヤメや嫁入り舟を撮影する人は多いが、「おらんだ楽隊」を撮影する人は少なかった。
※入場券の裏面に「検印」を押して頂くと、その日に限り何度も出入りが可能になります。